LOGPIECE(ワンピースブログ)〜シャボンディ諸島より配信中〜 ゾロが隻眼になるのは連載初期から決まっていた!「るろうに剣心展」図録収録 対談より
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ただいまでござる。





行ってきました「るろうに剣心展」。

和月伸宏先生の時代劇漫画『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』の作品誕生25周年を記念して同作初の作品展が昨年4月から開催される予定でしたが、コロナ禍の影響で大幅に延期となり、万全の感染拡大防止策のもと今年1月から東京ドームシティGalleryAaMo(ギャラリー アーモ)にて開催されています。もうね、対策が万全すぎて手がカッサカサになりました。

作品展は『るろうに剣心』本編、番外編『裏幕』、連載中の北海道編から原画200点以上がテーマごとに展示され、作品を辿る内容になっています。作品展描き下ろしイラストの展示や、いくつかの原画に添えられている和月先生のコメント等も見所です。

原画展示がメインの作品展ですが、アニメからは唯一、主題歌の映像展示があり、「そばかす」(JUDY AND MARY)と「HEART OF SWORD ~夜明け前~」(T.M.Revolution)が流れていました。「そばかす」は会場で遠くからもかすかに聞こえており、だんだん近づいてくると会場BGM代わりになって、テンションが上がりました。やっぱり「そばかす」は沁みますね。



『るろうに剣心』のバトルシーンは漫画的な技巧がふんだんに盛り込まれており、その原画では吹き付けられたホワイト(修正液)が(物理的に)こんもり盛られている様をまざまざと見ることができました。漫画の原画展はいくつか観てきましたが、迫力が随一だと思います。

また、北海道編からはデジタル作画に移行しているのですが、デジタル作画の制作過程の映像展示もありました。作品展を通して、アナログ作画からデジタル作画に移行する様も興味深い体験でした。来場者の年齢層はやはり30〜40代が多いように見えました。小中高生は全然いませんでしたw(東京ドームシティには子供がたくさんいましたけど)

そしてグッズ売り場にて、お目当のものを購入。展示会の公式図録です。

図録には展示原画と展示会キービジュアル、描き下ろしイラストの全てが収録されています。収録されていない展示品は初期キャラクターデザインのスケッチや新作ネーム等です。そして目玉の誌面企画として『るろうに剣心』のアシスタントだった栄ちゃんと和月先生の師弟対談が収録されています。『るろうに剣心』と『ONE PIECE』。完全に世代ですよ。巡回中の原画展「シャーマンキング展」でも図録の出版と武井宏之先生との対談をやって欲しかったものです。

対談内容はアシスタント当時のエピソードや和月先生の下で学んだ技術、『るろうに剣心』本編の和月組ネタに関するコメントなど、どれも面白かったです。特に、ゾロが隻眼になるという設定が
連載初期の時点でどうやら決まっていたことは衝撃的でした

ーアシスタント中に、『剣心』の展開について和月先生と話されていたりしたんでしょうか?

尾田
:アシスタントに入ってから漫画をまともに読めないんですよ。先に原稿を見ちゃうから、しかもストーリーを教えてくれちゃうし(笑)。
和月:ごめんね。
尾田:それはそれで面白さがあるんですけど、「こうやって表現するんだな」とか。作劇的な面でストーリーを和月先生がどうやって描くのだろうか、というところを見ていました。
和月:でもね、ストーリーを先に教えてもらうというのは結構弊害がある。実は俺も尾田くんから事前にお話を聞いてしまい困ったことがあったんです(笑)。ゾロって今隻眼になっているよね?
尾田:はい。
和月連載が始まって、かなり早い段階で「実はゾロ、隻眼になるんですよ」と尾田くんから聞いていました
尾田:えー。
和月:覚えてない?
尾田:そんなこと言っていたんですか!?
和月:『剣心』の連載が終わって、次に描く『GUN BLAZE WEST』の話を考えていた時で、主人公を片目にするつもりだったんです(笑)。幼少期の戦いで片目になり、距離感がつかめないから銃を持っていてもなるべく接近戦をする、というバトルスタイルを考えたんです。ただ、小さな子供の目を傷つけるのはどうなのかなと、その設定を悩んでいた時にちょうどゾロの話を聞いてしまって…。先に描いたらネタをパクったみたいになるじゃん(笑)。それでその設定を使うのをやめました。
尾田:漫画でネタが被ることなんてよくありますから…。
和月:いや、『ONE PIECE』が大人気で勢いに乗っている時だったから「これはやめた方がいいな」と(笑)。
尾田:いやぁ、申し訳ないです。
和月で、実際にゾロが隻眼になるのは2年後の世界に入ってからでしょ? しかもその理由がいまだにはっきりわかっていない(笑)。あの時にやっていればよかった(笑)。
尾田:やっちゃえばいいんですよ。
和月今となってはゾロが隻眼になった理由を早く知りたい。
尾田:僕も裏で話を聞いちゃったために、できなくなったことがあって、内容を変えた記憶がありますね。しかも相手が後輩だったんで、やりづらい(笑)。
和月:確かに。
尾田:その場で「俺もやるんだよ」と言っておけばよかった、って。後で言っても真似したと思われるだけなので難しいですよね。でもネタ被りなんかしょっちゅうだし、漫画家は漫画をそんなに読んでないから被っていることにも気づかないし(笑)。
和月:面白いと思ったら気にせず描けばいいと思います。
尾田:そうなんですよね、人間の想像力なんて限界があるんですから。


新世界編でゾロが隻眼になっている姿を見た時には、おいおい三刀流に加えて隻眼とか剣士キャラで欲張りすぎだろ、なんて思いましたが、本編ではゾロの隻眼について一切触れらないという肩透かし。全く触れられないので、普通に考えれば単なるキャラクターデザインとして加えられた特徴と見ておかしくないですが、ここに来て、ゾロが隻眼になることは連載初期からどうやら決まっていたらしく、その理由もしっかりあるようです。

・・・苦手(?)な見聞色の覇気を鍛えるために自分で潰した、とかだったり? しかも、隻眼になることが初めから決まっていたとすると、必然的にミホークに弟子入りすることもミホーク登場前から決まっていたように思えてきます。

また、今回の対談では以前のインタビューで栄ちゃんが語っていた和月先生の「ルフィは腹黒い」発言の詳細も明らかになっています。

ー尾田先生の連載デビュー作『ONE PIECE』を初めて読んだ時の和月先生の感想はいかがでしたか?

和月:第1話を読んで、これは読者アンケートで1位を取るな、と確信しました。ハッキリ言って今まで誰もやっていなかったやり方だったんですよ。第1話で主人公の目的と原点を全部描き切っちゃってから、「さあ冒険を始めるぞ」という主人公を1話で全部描き切る展開。とても面白かったです。使う言葉もとても考えられていて、「海賊王におれはなる!!!」というあの文字列だけでもすごさを感じました。「おれは海賊王になる」じゃダメなんですよね。「海賊王におれはなる」というのは実は七五調になっているんです。これじゃないと響かない。しかも文字数が7文字と5文字で近いからフキダシを二つに分けてもフキダシの形がきれいにそろうんですよ。その台詞を最後のコマに持ってきて終わる。今までの少年漫画にないワクワク感でした。この流れを思いついた尾田くんは本当に天才ですね。
尾田:やった!褒められた(笑)。あの第1話を描いている時、自分の仕事場を作らなきゃいけないので引っ越すことになったのですが、九州出身で東京に詳しくなくてどこに住めばいいのかわからなかったので、和月先生の仕事場の近くにしました(笑)。第1話の原稿が描き上がって、コピー機が必要になったんですが、まだ仕事場になくて困っていたんです。そこで「和月先生のところにある!」と思い出して、和月先生の仕事場まで行ってコピー機を使わせてもらいました(笑)。そういえば、和月先生からの指摘で思い出すことがあって…。『ONE PIECE』の前に『ROMANCE DAWN』という読切でルフィを描いていました。その時、和月先生が「ルフィはなんか腹黒い」と言われたのを覚えています
和月:(笑)
尾田:「お前みたいだ」みたいなことまで言い出して…。
和月:そこまでは言ってないよ(笑)。
尾田:僕ほど潔白な人間はいないのに(笑)。やっぱりその後、和月先生の言われた通り、キャラクターをどうやって動かせばいいのか悩みました。多分和月先生が言っていた腹黒さというのは、僕の「こう動かしたい」という意図に、ルフィが逆らいきれていなかったんだろうなって。
和月ルフィがよくも悪くも格好良すぎたんですよ格好良いのは良いことなんだけど、ルフィが本気を出したら全部解決する感じだと、今後ルフィを成長させるのが難しいんじゃないのかなという。これからどんどん強い敵が出てくるのに、このままだと途中で破綻するなと思ったんですよね。当時尾田くんは10年くらい連載を続けると言っていましたので、このままだと10年ももたないのかなと思って話しました。もう今となっては10年なんてとっくに超えているんですけど(笑)
尾田:その時10年と言っていましたか? 5年で終わるつもりだったのですが…。
和月いやいや、10年だった
尾田:当時の僕はそんなことを言っていたんですね(笑)。


連載は当初5年で終わるつもりだったという発言は、連載が9年経過した時点で初めて出ており、その後、度々言われきました。それなので、「その当時の僕は10年と言っていましたか?」と驚いた反応になっています。

ゾロの隻眼についての発言もそうですが、和月先生の方が当時の記憶がしっかり残っているようで、この10年発言も信用できそうです。連載前の初期構想では10年で見積もっていたところ、連載を開始すると、現実的に描きたい内容を圧縮して5年と見積もり直したのでしょうか。

25年ほども前の話なので、作者当人も設定ノートに記録が残っていない初期構想については忘れていることですから、当時の栄ちゃんの発言を証言してくれる和月先生のような存在は本当に貴重です。思い出せば、まだまだエピソードはあるでしょうから、もっと色々深掘りして欲しかったです。


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名も無き島民
北海道編の敵が敵が赫力という能力を使った時は和月先生風の覇気の解釈のyうにも感じられて関心しました。和月先生は二重の極みや双龍閃など漫画的な理屈付けが個性的で面白いです。尾田先生との対談も物語みたいな師弟関係で笑いました。
2021/02/13(Sat)16:19:25
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